アトピー性皮膚炎

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アトピー性皮膚炎の症状

《アトピー性皮膚炎》とは「アトピー」という一種のアレルギー体質によって起きる皮膚病です。
小児によく見られる皮膚病で、多くの人は小学校の頃には治まっていきますが、最近では成人型のアトピー性皮膚炎も注目されています。
いずれにせよ慢性の皮膚病であり、「かぶれ」や「おでき」などのように、すぐに治りきってしまう病気ではありません。
そこで、大切なことは「この病気の経過をよく知っておく」ということです。
《病気の特徴》肘や膝の関節の内側、目の下、頸(くび)などの皮膚が、硬く、ざらざらになり(苔癬化)、かゆくて掻くため、引っかき傷が見られます。
身体全体の皮膚も転燥してザラザラした感じになり(アトピー性皮膚)、耳の付け根が切れることもあります。
症状は空気が乾燥する冬に悪化しますが、逆に夏に悪化することもあります。

肘の苔癬化と掻爬
膝の苔癬化

アトピー性皮膚炎の治療

一般に《アトピー性皮膚炎》は成長とともに軽くなり、やがて自然に治っていくことが多いです。
したがって治療も、症状の悪い時に軟膏を塗ったり内服薬を飲んで、発疹やかゆみをコントロールしながら、自然に軽快する時期が来るのを待つことになります。
中島医院では日本皮膚科学会が作成した「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」に従って、重症度と部位に合わせて、投薬治療をしています。

掻きくずしたひどいアトピー
  • 1)治療の根幹はステロイド外用剤で、重症度と部位と年齢に合わせて、種類を選択します。
  • 2)顔面にはなるべくステロイド外用薬は使用せず、用いる場合は、可能な限り弱いものを短期間使用するようにします。
  • 3)治療を突然中止すると症状が急に悪化することがあるので、中止および変更は医師の指示に従ってください。
  • 4)症状に応じ、ステロイドを含まない外用薬を使用します。
  • 5)かゆみなどの症状に応じ、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服を併用します。
  • 6)2週間をめどに症状の再評価を行い、治療薬の変更を検討します。

アトピー治療のガイドライン

皮疹の重症度と外用薬の選択

(日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドラインより)

皮疹の重症度 外用薬の選択
重 症 ひどい腫脹/浮腫/浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、ひどい鱗屑・痂皮の付着、小水疱、びらん、多数の掻破痕、痒疹結節などを主体とする。 必要かつ十分な作用のあるベリーストロングないしストロングクラスのステロイド外用薬を第一選択とする。
痒疹結節でべリーストロングクラスでも十分な作用を得られない場合は、その部位に限定してストロンゲストクラスの使用もある。
中等症 中等症までの紅斑、鱗屑、少数の丘疹、掻破痕などを主体とする。 ストロングないしミディアムクラスのステロイド外用薬を第一選択とする。
軽 症 乾燥および軽度の紅斑、鱗屑などを主体とする。 ミディアム以下のステロイド外用薬を第一選択とする。
軽 微 炎症症状に乏しい乾燥症状主体。 ステロイドを含まない外用薬を選択する。

アトピー性皮膚炎・日常の注意>

  • 1)軟膏は症状が強い時は1日3回塗るようにし、軽快すれば塗る回数を減らします。
  • 2)食事は原則的には何を食べてもかまいません。極端な制限は子供の成長を妨げます。
  • むしろ偏食のないように注意してください。
  • 3)あくの強いものや香辛料は、かゆみが強くなるので控えるようにしましょう。
    もし、食べて症状が悪くなるものに気付いた時はお知らせください。
  • 4)お風呂は毎日入ってもかまいません。石けんは手のひらまたは柔らかいガーゼにつけて、軽く汚れを流すように洗ってください。
    ゴシゴシ洗うと、かゆみが強くなります。
  • 5)あまり熱いお湯に長く入ると、かゆみが強くなります。
  • 6)軟膏はお母さんが塗ってあげましよう。子供にまかせておくと、どうしてもいい加減になりがらです。
  • 7)アトピー性皮膚炎の子供はかゆみや不眠などのためいらいらしがちです。
    お母さんの子供に対する思いやりも治療と同じように大切です。